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ゼミ生 卒業制作・論文

2023年度卒業制作展 作品紹介5

「未来の君へ」

作:原菜々子

私は「未来への反抗」をコンセプトに作品制作を行いました。

未来では人間は仮想空間に生きるようになると言われています。その世界では肉体が死んだとしても脳みそさえあれば永遠に生きられると。

この大学4年間で2人も大切な家族を亡くし、現実世界とはなんなのか、なぜ死というものが存在するのか、様々なことを考えました。若くしてこのどうしようもなく辛い経験を得て、私がこの世界に対して、そして未来の仮想空間に対してどのように思ったのかというのを作品としてみんなに観て知ってもらいたいと思い、命をテーマに映画を撮影しました。

観る人によっては響かないかもしれない。しかし、どこかの誰かの心には響くかもしれない、そんな言葉が詰まっています。

撮影は全てiPhoneのシネマティックモードで、エフェクトはafter effectsで、合成はpremiere proで、3DCGは blenderで、繋ぎ合わせはInshotで行いました。

撮影技術も編集技術もほぼゼロの状態から始めて、ヒーロースーツ制作から編集まで、勉強しながら約1年かけて自分でこなしたので、ぜひたくさんの方に楽しんでいただきたいです。

「記憶まちがいさがし」

作:本田 結子

私の作品「記憶まちがいさがし」は、とても個人的な題材をもとにしています。それは、「私がいつも考えていること」です。自分は言葉に出すよりも、形にするよりも多く頭の中で考え事をしていたり、何かを確認していたり、独り言を言ったりしています。

この作品ではその中から、「自分が考える、自分に対する認識」を選び、その考えが本当に正しいものかどうかを様々な証拠を用いて検証しています。ただし、学術的な展示のみ行うのではなく、その過程を見る人にも体験してもらえるように「まちがいさがし」という誰もが馴染みのある遊びになぞらえて制作しました。

 展示に際して、構成を考えた時、同じ寸法の紙をパズルのように組み合わせていく方法を選びました。これは特に考え込むこともなく自然に浮かんだやり方でした。なぜかと言えば、題材とした「自分の考え」がぽつぽつととりとめもなく頭に浮かぶさまと、広い壁面のあちこちに話題が散乱している様子がリンクしたのだと思われます。

 他人の人生を少し覗き見するように、ふらりと立ち寄って、遊んでもらえたらうれしいです。