カテゴリー
未分類

2024年度ゼミ成果展作品紹介1

「異世界転生部屋」

作:桑原百加

日常と隣り合わせにあるかもしれない非日常に気付いてほしいという思いで、この作品を制作しました。普段何気なく行っていることや、普段よく見るものが、実は異世界転生の手段だったというような、物の見方が傾くような体験を提供したいと考えました。ただ転生方法を並べるだけではなく、なぜその行動をするのかという理由まで突き詰めて考えることで、転生のリアルさを演出しました。さらに、お香をたいたり、部屋を暗くするなど、空間の演出も工夫しました。順路に沿って黒いビニールで壁を作り、転生儀式以外の情報を遮断するようにしました。また、成果展のアンケートを利用し、最後に転生を匂わせるような質問をいくつか設け、尾を引くような体験が出来るようにしました。

「モノのアイデンティティを奪う実験」

作:土持彩夏


この実験のきっかけは、街を散策している際に中学生くらいの男子がゴミ箱を蹴っている様子を見て「モノに当たる」ことに対して友人と意見を交わし日常的に根付いている「アニミズム」について考えたことです。「アニミズム」とは、自然界のあらゆるものには霊魂や精霊が宿っていると考える信仰のことです 。
先程のような物を感情任せで傷つける行為は、一般的に望ましくないと考えられる。しかし、私たちは一度モノを解体して改良したり捨てたりすることに関しては、決して「暴力(八つ当たり)」ではなく当然であると受け入れられている。より良いモノへと進化させるために、破壊する行為と暴力性を持った破壊する行為の境目はグラデーションのようになっている。そこで、私は実験的に一見モノが本来求められている役割が果たせないような仕掛けを行うことにした。
これらは果たして、「暴力的」なのか「進化」なのか。自由に捉えてほしい。