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ゼミ生 卒業制作・論文

2023年度卒業制作展 作品紹介3

「Enter the NAKAMURA ensemble」

作:川﨑 寿時

映像ゼミにはゼミ生の本田さん作、ゼミの5期生をモチーフとしたキャラクターイラストがある。

私はこのイラストから【ゼミ生コンテンツ】を構想した。

昨今は特定のコミュニティ内で話が繰り広げられるコンテンツ(部活ものやサークルもの)があるが、ゼミナールではそれらに類するコンテンツは無い。

「映像ゼミというコミュニティ」で「実在する学生のキャラクター」が織り成す世界観は、若者や大学生には共感由来の面白さを、映像ゼミを知らない人には未知のコミュニティを覗く新鮮さを提供する。

私は【ゼミ生コンテンツ】のPVとしてこの作品を制作した。

この作品は、ゼミ生11人のキャラクターラップソングを作詞・作曲・歌唱・MIXを行いMVをつけたものである。

身内ノリにならないようにラップというジャンルを採用した。ラップは押韻・歌い方のリズムや言葉遊びが魅力であり、詳細を知らずとも耳に残る心地良さがあればコミュニティ外の人にもリーチできる。ラップ楽曲で注目を集め、MVのリリックアニメーションからキャラクターの個性を知ってもらい、ゼミ生コンテンツに興味を持ってもらおうという算段である。

作詞においては、ゼミの中心として一緒に過ごしてきた私視点から得た印象・情報を強く反映している。またゼミ生というただの一般人をキャラクター化するためには尖りが必要と考え、多少誇張しすぎたくらいのキャラクター性にしている。

映像制作はAfter effects、Illustrator、blender、作曲・MIXはGrageBandを使用している。

「本人不在の誕生日会」

作:木下歩夢

今回のコンセプトは展示タイトルにもなっている『本人不在の誕生日会』であり、この言葉はオタク界隈では既存のワードである。

 本来であれば飾り付け→写真撮影を前日までに済ませてしまい、当日SNS上に投稿するために準備を行うのが基本である。撮影が終わり次第すぐさま片付けに入る必要があるため、推しを祝う満足感と同時に少しばかりの虚無感を感じざるを得ない。「卒業制作展」は数日展示が許されることから、いつもとは違った体験ができると思いこの展示コンセプトに決めた。

 今回祝っている推しは、私自身の妄想から生まれたオリジナルキャラクターであり、3年次の発表との繋がりもある。新たな設定やイラストに加え、オリジナルグッズも制作し祭壇に並べている。

 オリジナルキャラクターを使ったことで、誕生日会場に祝われる本人がいない意味の”不在”と、そもそも現実世界に存在していない意味の”不在”、”不在”の2重構造が生まれているが、『本人不在の誕生日会』を行うことで逆にその存在があるように錯覚してしまう不思議な現象が起こる。 

 また、今回は『推し寿司』という新たな推し活の提案も行った。オブラートに食用ペンでイラストを描き、チーズに貼り付けてプレートに。下の寿司も本物を使っており、全て実際に食べることができる展示となっている。

 最後に、展示の一部としてカメラを置いており、来場してくれた方に推し活の体験として撮影のお願いをしている。これにより、撮り方の構図やアイデア、普段推し活をしない人はどのように楽しむのか。など、新鮮なフィードバックを貰える仕組みになっている。

 推し活には布教の意味もあり、宗教チックなところもあるため、オタクの生態を目の当たりにしつつ、推しを祝ってくれたら嬉しい。