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ゼミ生 卒業制作・論文

2023年度卒業制作展 作品紹介2

「映像デザインゼミ生をモデルにしたキャラクターコンテンツの展開論」

作:青木結依加

この作品は、キャラクターコンテンツが成立するために必要な要素を明らかにした上で、ゼミ生が制作した「映像デザインゼミ生をモデルとしたキャラクター(ゼミキャラ)ビジュアル」を如何にしてキャラクターコンテンツとして成立させるかについて論じたものである。

ゼミキャラのビジュアルがゼミ生の制作した作品である以上キャラクター性や世界観を付加する行為は二次創作に当たるという定義を行い、それ故キャラクター性は作者や作品によって変化するものであることを指摘している。今回はキャラクター性をキャラクタービジュアルのモデルから忠実に抽出することを重視するのではなく、ビジュアルとのギャップや、人物のある一面をフィーチャー、個性、魅力として強調して伝えることをコンテンツ全体の表現課題として提案した。そこにはモデル自身の捉える自己とは異なる一面もあるだろうが、ゼミ生を見つめる中で見えてきた「私に見せる顔」であり「キャラクター性」の一つである。

また、ゼミキャラをコンテンツとして成立させることで日本国内では未発展の分野である、大学のプロモーションやゼミキャラクタープロパティの活用が可能になることも本論の意義であると考えている。

「はなちゃん」

作:碇石遥

私の幼少期のイマジナリーフレンドである「はなちゃん」を題材に、今回の映像を制作しました。撮影を通して、はなちゃんがどんな子だったか思い出しながら、また、自分の今までの道のりについて考えることで、私をつくり上げた要素や、自分の考えの本質について振り返ることができたことに価値があると思っています。

イマジナリーフレンドは基本的に、不意に現れて、気づかないうちにいなくなってしまう儚い存在で、例に漏れず、はなちゃんも同じでした。しかしながら、実態のない彼女だからこそ、私のことを嫌うことも無いし、永遠の別れもない。そう考えると、私とはなちゃんの関係はお互いに唯一無二で、誰にも邪魔することのできない宝物だと思いました。

そんな、誰かに知って欲しいような、独り占めにしたいような、そんなはなちゃんの存在を、みなさんに見て頂ける機会になったと思います。

今回、実際に撮影した映像の中に手書きアニメーションを織り交ぜることで、私の記憶の中の世界と現実を行き来するような感覚をつくりたいと思い制作しました。映像は、私のありのままの姿で撮影し、あえてナレーションは入れずにテキストのみで振り返る形にしました。

この映像を見た人が、何かしらの形で、自分の中の本来の自分と向き合うきっかけになってくれたら嬉しいです。