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卒業制作・論文

卒業制作展2022 作品解説その6

この記事は、2022年度卒業制作作品の作者による解説を紹介しているものです。今回は、大宅美沙希さんによる作品解説です。(以下は本人)

「自己報道」大宅美沙希
(手法:モニター映像、紙)

「自己報道」は、映像作品「自己報道ニュース」、新聞型作品「自己報道新聞」の二つからなる作品群である。これらは、主に大学に在籍していた4年の間で自分の身の回りで起こったことを記事として報道する作品である。

 「自己報道ニュース」と「自己報道新聞」、どちらもやっていることの本質は「ねえねえ聞いて!今日ね、こんなことがあったの!」と話しかける子どもとさほど変わらない。そして子どもならともかく、いい歳した大学生が見ず知らずの他人にこのような話題でいきなり話しかけるのは、不審に受け取られる可能性がある。しかし、「報道」の形をとることによって、違和感なく見る人に自分のことを伝えることができる。ニュースや新聞を通して記事という媒体を通して伝える「大人っぽいこと」と、最近あったことをお話しする「子どもっぽいこと」のギャップを狙ったものがこの作品群である。そのギャップを見て(あるいは聞いて)、「くだらんなあ……」と苦笑していただけると幸いである。

「自己報道ニュース」

 ニュース記事、週間メンタル予報、(存在しない)ドキュメンタリー番組の予告で構成されている約4分の映像作品。アナウンサー、お天気キャスター、ドキュメンタリー予告に映る主人公も全て作者自身が演じる。

「自己報道新聞」

 ニュースの尺では伝えきれなかった多くの記事を、8面構成の新聞にまとめている。天気予報を模して最近のメンタルのアップダウンの報告、テレビ欄を模して作者自身の22年間の人生の略歴を記している。この作品は手に取って読み、実際に持ち帰ることができる。